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琵琶湖は、日本最大の面積を誇り、豊富な水産資源にも恵まれた湖です。そして、この琵琶湖の周辺に広がる田んぼは、古来より生き物のいのちを育む役割を果たしてきました。

滋賀県では、農業生産性を維持しながら、湖魚が産卵・成育できる水辺の環境を取り戻すため、『魚のゆりかご水田プロジェクト』に取り組んでいます。魚道を設置することにより、排水路の水位を階段状に田んぼの高さまで上げます。こうすることで、琵琶湖から遡上した湖魚は、田んぼへ入ることができます。

琵琶湖流域水田の
生物多様性

琵琶湖周辺の水田は、琵琶湖の固有種であるニゴロブナなどの湖魚に絶好の繁殖環境を提供してきました。
こうした水田やヨシ帯などに向かってくる湖魚の生態を巧みに利用してきた「エリ漁」は、資源にやさしい伝統的な「待ちの漁法」の代表格です。また、 河川に遡上する湖魚の産卵環境の保全に寄与する多様な主体による森林保全の営みや琵琶湖の環境に配慮した農業など、森、川、水田、湖のつながりは、世界的に貴重なものです。

このような琵琶湖と共生する農林水産業「琵琶湖システム」は、千年以上に渡って受け継がれてきたもので、2022年7月にFAO(国連食糧農業機関)による「世界農業遺産」に認定されました。
ここでは「琵琶湖システム」を支える水田の役割を紹介します。

世界農業遺産 琵琶湖システム

滋賀県「森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」

伝統的な琵琶湖漁業、環境こだわり農業、魚のゆりかご水田、水源林保全などが「琵琶湖システム」として、国連食糧農業機関(FAO)から認定されました。

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